綾瀬ひふみ皮膚科

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妊婦に起こる
皮膚疾患

妊婦に起こる皮膚疾患

皮膚科を受診する妊婦さんに多い皮膚疾患は何ですか?
蕁麻疹、足白癬、帯状疱疹、口唇ヘルペス、毛包炎、接触皮膚炎、尋常性疣贅などで受診される妊婦さんをしばしばお見受けしますが、これらはいずれも妊娠していない時でも発症します。また、もともとアトピー性皮膚炎、尋常性痤瘡などで通院されていて、そのまま妊娠中も治療を継続されている方もいます。一方で、妊娠中から産褥期のみ出現する皮膚疾患もあります。
妊娠してから手の平が赤くなりました。心配ありませんか?
「手掌紅斑」は妊婦さん以外に肝硬変の方にも出現します。手の平の母指、小指に連続する部位を中心にびまん性に赤くなります。顕著な方は手掌全面が赤くなっています。血中のエストロゲンが上昇したために、血管拡張が起こり赤く見えます。炎症を起こしているわけではありませんので、病名後半部の「紅斑」という表現は適切でないという意見もあります。出産後自然軽快します。
妊娠後、胸に細かい血管が浮き出るようになりました。これは何でしょうか?
「クモ状血管腫」は妊婦さん以外に肝硬変の方にも生じます。健常者でも出現する場合があります。
中心となる部位から放射状に毛細血管拡張が起こり出現したものです。自転車のスポークのように放射状に並んだ赤い血管が透見されます。中心部を圧迫すると、全体が薄くなります。胸が好発部位ですが、顔、首、肩などにも出現します。血中エストロゲン上昇が関与していると考えられています。出産後自然軽快します。
妊娠線について教えてください。
「線状皮膚萎縮症(妊娠線)」は妊娠6~7か月から出現し、妊婦の40%以上に出現すると言われています。腹部、乳房周囲、臀部、大腿外側に好発し、急激な皮膚の伸展により表皮が菲薄化、弾性線維は断裂し、コラーゲンが伸展された状態となります。加齢と共に目立たなくなります。
妊娠7か月目に入りますが、最近お腹に強い痒みとともに水疱が出来ました。どういった疾患が考えられますか?
「妊娠性疱疹」は妊娠中あるいは産褥期に発症し、激しい瘙痒とともに皮膚に緊満性水疱が生じます。真皮と基底膜を結ぶたんぱく質に対する自己抗体が出現したため、表皮がはがれ水疱となります。全妊娠の0.05%に出現すると言われています。妊娠するたびに出現します。稀ですが、新生児にも水疱が出現することがあります。ステロイド外用、プレドニゾロンなど胎盤をほとんど通過しないステロイド内服で治療します。出産後、症状は徐々に消退します。
妊娠30週になりますが、最近強い痒みを伴う皮疹がお腹や腕に現れ、夜もあまり眠れていません。皮疹は色素沈着になり気になります。どういった疾患が考えられますか?
「妊娠性痒疹」は妊娠25~30週頃に、腹部、四肢伸側に瘙痒を伴う丘疹が出現し、掻破していることが多いです。しばらく色素沈着を残します。2回目以降の妊娠で出現することが多く、妊娠のたびに出現します。初回から出現する方もいます。ステロイドを外用しますが、難治なことも多いです。瘙痒が強くて睡眠が十分とれない場合は抗ヒスタミン薬やプレドニゾロンなど胎盤をほとんど通過しないステロイド内服を検討します。出産後消退します。
「PUPPP」は略語のままで呼ばれることが多いです。Pruritic Urticarial Papules and Plaques of Pregnancyの略で、日本語に訳しても長くて実用的な名称にならないからかもしれません。初発は2/3は初産婦、1/3は経産婦と言われています。妊娠後期から分娩後1週間以内に腹部、臀部、四肢に強い瘙痒を伴う蕁麻疹様の紅斑や丘疹が混在し、炎症が強いため一部水疱化することもあります。原因不明です。ステロイド外用、抗ヒスタミン薬内服、場合によっては胎盤をほとんど通過しないプレドニゾロンを内服します。
妊娠8か月になりますが、最近体のあちこちの皮膚が赤くなり、多数の小さな膿疱が環状に多数出現し、拡大してきています。微熱、倦怠感、食欲不振もあります。どうすれば良いでしょうか?
「疱疹状膿痂疹」は妊娠中から産褥期に発症し、紅斑上に小膿疱が多発します。範囲は全身に及びます。妊娠を契機に出現した「汎発性膿疱性乾癬」の一型と考えられています。発熱、嘔吐、下痢を伴うこともあり、全身がびらんとなるため、入院管理が必要です。分娩後改善することが多いですが、重症な場合は人工中絶を検討しなければならないこともあります。再度妊娠すると再発します。
妊娠してから頬にしみが目立つようになり、無事出産しましたが、このまましみが残るのか気になります。このしみは消えますか?
「肝斑」は妊婦に好発し、妊娠中期に顔面に出現します。出産後多くは数か月で消失しますが、残存する方もいます。摩擦や紫外線は増悪因子となりますので避けるようにしてください。
妊娠してから歯茎に出血しやすいできものが出来ました。心配です。何でしょうか?
「妊娠腫瘍(毛細血管拡張性肉芽腫)」は妊婦の歯肉に出現します。易出血性の紅色腫瘤です。妊娠中は皮膚でも毛細血管拡張性肉芽腫が出現し易いです。治療は外科的処置になります。歯肉は口腔外科、皮膚は皮膚科や形成外科で治療を受けてください。
出産後、髪が薄くなりました。今後、髪の量は回復するでしょうか?
頭髪は、成長期、退行期、休止期の毛周期を繰り返しています。成長期は4~7年、退行期は2~3週、休止期は数か月です。比率は成長期が85%、退行期が1%、休止期が14%です。
分娩後4~20週頃に脱毛しますが、これは一斉に毛髪が成長期から休止期へ移行したために起き、生理的に起こるもので病的意義はありません。15か月以内に再発毛すると言われています。

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