綾瀬ひふみ皮膚科

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小児に起こる
皮膚疾患

小児に起こる皮膚疾患

生後数週間を過ぎたころから顔に皮疹が出現し、中々治まりません。
どういった皮膚疾患が考えられますか?
生後数か月間は、自身が産生する性ホルモンだけでなく、胎盤を通して母からもらった性ホルモンの影響で皮脂腺の活動性が高い状態にあるため、頭部、顔面を中心に「脂漏性皮膚炎」を生じ易い状態にあります。中には、思春期のように「にきび(新生児痤瘡)」を生じる赤ちゃんもいます。
脂漏性皮膚炎は大人の場合は、頑強に消退せず、長期罹患は珍しいことではありませんが、赤ちゃんの脂漏性皮膚炎は容易にコントロールできることが多いです。
口囲、頬、首はよだれ、離乳食で、「接触皮膚炎」を起こします。出来るだけ清潔を保って頂き、症状に合わせた外用剤でスキンケアを行います。
顔面の皮疹で気を付けなければいけない疾患に「新生児エリテマトーデス」があります。母親が無症候性の抗SS-A抗体陽性シェーグレン症候群であることが多いです。シェーグレン症候群は膠原病の一種です。自己抗体である抗SS-A抗体が胎盤を通って赤ちゃんに移行したために発症します。頬部紅斑、光線過敏症などの皮膚症状以外に先天性心ブロックが約半数の症例に見られるため注意が必要です。皮膚症状は半年から1年位で軽快します。
数日下痢をした赤ちゃんの股や肛門周囲が赤くただれたようになってしまいました。
どうすれば良いですか?
口囲、頬、首はよだれ、離乳食で、股部、肛囲は尿や便により、「接触皮膚炎」を起こします。おむつが湿った環境が続けば、皮膚常在菌のカビの一種カンジダが増殖し「乳児寄生菌性紅斑」と呼ばれる、「皮膚カンジダ症」を発症します。
洗浄や愛護的な清拭で清潔を保って頂き、症状に合わせた外用剤でスキンケアを行います。
1歳の赤ちゃんが、顔、腕、すねに赤いぶつぶつが出現し、10日以上塗り薬を塗っても治りません。
どういった皮膚疾患が考えられますか?
「リンゴ病(伝染性紅斑)」でも顔、四肢に皮疹が出現しますが、ぶつぶつ(丘疹)というより紅斑となります。「手足口病」の中にも手の平、足の裏の範囲を超えて、四肢にぶつぶつ(丘疹)が出現するタイプがあります。しかし、いずれも10日以上変化が乏しいということはありません。
ウイルス感染症後、四肢、顔面に紅色丘疹が多発する「ジアノッティ・クロスティ症候群」を発症することがあります。生後6か月~12歳位に発症するとされていますが、ほとんどは1~2歳位の発症です。原因となるウイルスは多種あり、潜伏期間が2か月に渡るため、通常原因ウイルスを特定することはできません。症状が数週間続くため、お父さんお母さんは心配になりますが、対症療法しかなく、基本的には自然軽快を待つことになります。
女の子の赤ちゃんですが、生後数か月を過ぎて、肛門のすぐそばに突起状のものが出来、数週間様子を見ていますが、治りません。これは何でしょうか?
乳幼児女児肛門の外陰部側に「肛門垂」というピラミッド型の突起が出現することがありますが、通常数年の経過のうちに自然消失します。
女の子の赤ちゃんですが、顔に赤いあざがあります。これは将来どうなりますか?
血管系良性腫瘍で最も頻度が高いのが「乳児血管腫(苺状血管腫)」です。生後1週後から3か月までの間に出現し、数か月~1年かけて完成します。多くは数年のうちに自然消退するので、無治療のまま自然消失を待つことが多いです。目、鼻、口唇周囲にあり機能障害の可能性がある場合、瘢痕による整容上の問題が予想される場合は、プロプラノロール内服を検討します。プロプラノロールは乳児血管腫を縮小、治癒に有効ですが、心拍数、血圧を下げる作用があり、使用に当たっては小児科医との連携が必要です。当院ではプロプラノロール内服治療は行っておりません。治療が必要な方は対応可能な病院に紹介致します。
その他頻度が高い血管腫に「毛細血管奇形(単純性血管腫)」があります。出生時すでに出現しています。「サーモンパッチ」は額部正中から眉間にかけて生じる毛細血管奇形ですが、新生児の約30%に出現し、大半は生後1年半までに自然消退します。項部にあるものは「ウンナ母斑」と呼ばれ、約半数が成人まで残存します。体幹、四肢にあるものは自然消退することはありません。顔面、頭皮に残存する毛細血管奇形は思春期以降肥厚し、結節状隆起を形成することが多いです。色素レーザーにより治療します。当院には色素レーザーは御座いません。治療が必要な方は対応可能な病院に紹介致します。
男の子の赤ちゃんですが、生後3か月を過ぎた頃から顔や首に少しつやのある淡い黄色の出来物が数個できて、1か月以上様子を見ていますが、変化がありません。どうすれば良いですか?
生後数週から半年位の間に、頭頚部、四肢、体幹にやや光沢のある淡紅色~淡黄色を帯びた小結節が単発もしくは複数が出現することがあります。「若年性黄色肉芽種」と呼ばれ、半年から数年のうちに自然消退します。
神経線維腫症1型という常染色体優性の遺伝疾患に伴う症状の場合もあり、カフェオレ斑という疾患特有の色素斑の合併がないか注意して鑑別します。
息子は6歳になりますが、頭に毛が生えずに表面がざらざらのままの部位があります。今後どうすれば良いですか?
出生時より頭部や顔面に黄白色~淡褐色局面があり、頭部では脱毛斑を形成している場合は「脂腺母斑(類器官母斑)」を考えます。成長とともに表面は顆粒状となり厚みを増します。良性腫瘍、悪性腫瘍の発生母地となるため、時期を探りつつ切除します。
5歳の娘に生後間もなくから背中に淡い褐色班があります。消すにはどういった方法がありますか?
生後間もなくから乳幼児にかけて、長径数cm~数十cmに及ぶ淡褐色の色素斑は「扁平母斑」を考えます。小さい場合は切除・縫合で全て除去できますが、大きい場合の治療は難しく、Qスイッチレーザーで改善しますが、再発頻度が高いです。
1歳の息子の右下肢外側に帯状の皮疹があります。これは何でしょうか?いずれ消えるのでしょうか?
小児四肢に線状、帯状の皮疹が出現することがあります。「色素失調症」、「線状苔癬」、「線状扁平苔癬」、「扁平疣贅」、「表皮母斑」が鑑別となります。「色素失調症」はX染色体優性遺伝で、女児に多く、その後の特徴的な経過から診断できます。色素沈着期を経て、4~5歳を過ぎると退色し始め、最終的に消失します。「線状苔癬」は比較的急激に発症し、一肢全長に及ぶこともあり、爪に及べば爪変形を来すこともあります。1年以内に自然消退することが多いです。ステロイド外用はある程度の炎症改善効果があります。「線状扁平苔癬」は神経走行に一致して配列します。ステロイド軟膏、プロトピック軟膏外用を行います。「扁平疣贅」はウイルス性いぼの一種ですが、掻破に一致して線状に配列することがあります。いぼとして治療します。「表皮母斑」は性状により、さらに「列序性表皮母斑」、「限局性疣状母斑」、「炎症性線状疣贅状表皮母斑」に分類されます。切除、液体窒素凍結療法、炭酸ガスレーザー焼灼などを検討します。
7歳娘の左の足の裏に2か月前から「いぼ」があり、様子を見ていたら近くにもう1つ出来てしまいました。どのような治療がありますか?
2,27,57型パピローマウイルス感染により発症するイボ(尋常性疣贅)です。全身どこにでもできますが、手足に出来ている方が多いです。治療は液体窒素による冷凍凝固療法を1~2週間に1回行うのが最も一般的です。顔など角質の薄い部位は比較的治りやすく、多くの方は1~数回の冷凍凝固療法で治ります。手の平、足の裏など角質が厚い部位は治りにくく、1~2週間に1度繰り返し冷凍凝固療法を行って、数か月を要します。サイズが大きい場合は1年以上かかることもあります。冷凍凝固療法は大なり小なり痛みを伴います。痛みを避けたい場合は、ヨクイニン(ハトムギ)内服やビタミンD3軟膏密閉療法を行います。いずれも、中々速やかに治癒することはなく、根気が必要です。複数の治療を組み合わせることもあります。
1型パピローマウイルス感染により発症するイボを「ミルメシア疣贅」(ミルメシアは蟻塚の意)と呼び、尋常性疣贅と異なる外観を呈します。手の平、足の裏に出現し、疼痛、発赤を伴うことが多いです。治療は尋常性疣贅と同様です。
3歳息子の体に2か月くらい前からつやのある丸いぶつぶつが出現し、保育士さんから「みずいぼ」ですよと教えて頂きました。治療の必要はありますか?
みずいぼ(伝染性軟属腫)は伝染性軟属腫ウイルス感染により発症する常色から淡紅色の光沢のある半球状の小結節が数か月以上に渡り出没します。小児に好発します。全身どこにでも出現しますが、腋や臀裂部などの擦れ合う部位は多発する傾向にあるようです。
直接接触、あるいは間接的な接触(遊具、プールの道具、タオルなどの共用)により感染します。プールの水中などで感染することはありません。医師によって治療方針が異なります。極力自然軽快を待つことを勧める医師もいれば、積極的に摘み取ることを勧める医師もいます。
自然軽快を待つ場合は半年位から数年を要します。経過は一人ひとり異なりますので、取った方が良いのか良くないのかは、結果を見ないと分かりません。無治療で経過を見ても大して困らない状態で終息する方もいれば、爆発的に多発することもあり、一つ一つが大きくなり強い炎症が出現する方もいます。また、夏は繰り返す掻破から伝染性膿痂疹(とびひ)を合併することもあります。摘除する場合は、そのまま摘除する場合もありますが、麻酔テープを用いて痛みを緩和した状態で摘除することも出来ます。麻酔テープは完全に感覚が無くなることはなく、ある程度の感覚は残ります。
小さいみずいぼでは痛みはかなり緩和されているようですが、ある程度以上大きくなるとやはり相応の痛みを感じるようです。治療をどうするかは、一人ひとり症状を拝見し、メリット、デメリットをご説明の上、保護者の方と相談の上決めて参ります。
キャンプに行ったら、四肢がたくさんの虫に刺されてしまいました。虫刺されについて教えてください。
「虫刺症」は蚊、ブヨ(ブユ)、アブ、蜂、アオバアリガタハネカクシ、コアリガタハネカクシ、ネコノミ、ムカデ、ヌカカ、アオカミキリモドキ、ヒメツチハンミョウ、マメハンミョウ、サシガメなどに刺されたり、触れたり、咬まれたりすることで起こります。いずれも強いかゆみや痛みを伴うことが多いです。症状が限局している場合は、ステロイド軟膏を外用し早期に炎症を治めます。炎症が広範囲であったり、腫脹が強い場合は、抗ヒスタミン剤やステロイド剤を内服します。感染症を合併している場合は抗生剤を内服します。
屋外の「虫刺症」だけでなく、イエダニ、トコジラミなど屋内の「虫刺症」もあります。
虫刺症に続発する小児皮膚疾患には、「伝染性膿痂疹(とびひ)」、「貨幣状湿疹」、「急性痒疹(ストロフルス)」などがあります。
外で遊んで、強い痒みを伴う多数の小さな紅斑が出現した場合は「毛虫皮膚炎」、「ドクガ皮膚炎」を疑います。毛虫の針や雌成虫尾端部に触れることで皮膚炎を起こします。チャドクガ、ドクガ、モンシロドクガは幼虫の毛虫、雌成虫尾端部の蛾いずれに触れても発症します。マツカレハ、ヒロヘリアオイラガは幼虫、繭で発症します。毒針毛はマツカレハ、ヒロヘリアオイラガでは0.5~1mmくらいあり肉眼でも確認できます。毛虫皮膚炎は必ずしも毛虫に直接触れなくても、毛虫がいる木々の近くにいたために発症することがあります。体を覆う肉眼で見える針に触れて発症するのではなく、チャドクガ、ドクガ、モンシロドクガでは人の目には見えない0.1mmほどの微細な毒針毛が木から落ちたり、舞ったりしたものに触れることで発症します。幼虫に直接接触してないのに発症している場合は、枝や葉に残っている脱皮殻の毒針毛が風に飛ばされ、たまたま風下にいたり木の下にいたため、皮膚に付着し発症していると考えられます。症状が広範となっている方が多いです。成虫の蛾の場合も直接尾端部にふれなくても、明かりに集まった成虫尾端部から毒針毛がまき散らされ、これに触れて発症することがあります。治療は虫刺症に準じます。
5歳息子の唇に周囲を縁取るように皮疹が出来て、中々治りません。どうすれば良いですか?
口唇の乾燥を補おうと頻繁になめることで「舐め皮膚炎(舌なめずり皮膚炎)」を発症するお子さんもいます。乾燥→なめる→口唇周囲の皮膚炎→刺激と乾燥の増悪→なめる、の悪循環に陥っているため、治療しないと中々治まりません。
5歳息子が中耳炎のため、耳鼻科で抗生物質内服による治療を受けている最中に全身に皮疹が出現しました。
抗生物質内服をやめた方が良いでしょうか?
ウイルスや細菌などの微生物、虫刺され、食品、薬剤など本来体内にない物質やその代謝物により引き起こされる皮疹や粘膜疹を「中毒疹」と呼びます。原因が薬剤の場合を特に「薬疹」として区別します。しかし最近、薬疹の発現にも体内に潜伏感染しているウイルスの再活性化が関係している病態があることが明らかになり、概念的にも中毒疹と薬疹を明瞭に区別することは難しくなってきています。精査しても結局原因が何か分からない場合も多いです。
「中毒疹」は感染症に続発する小児皮膚疾患としては比較的多く見られます。初診時の問診内容、皮膚所見のみからは蕁麻疹と鑑別が難しい場合もあります。その後の経過から鑑別できます。抗生物質内服時に発症することも多く、お母さんやお父さんが「薬疹」を心配され、処方薬を継続すべきか悩まれているケースもありますが、小児ではほとんどの場合、薬剤性ではなく、感染そのものが誘発原因となっていると考えられています。薬疹が全くないわけではありませんので、通院して頂き皮疹の変化を注意して追いながら感染症治療を継続する必要があります。
生後6ケ月の娘がアトピー性皮膚炎と診断されました。アトピー性皮膚炎について教えてください。
「アトピー性皮膚炎」は瘙痒を伴う、新旧多様な湿疹が増悪、寛解を慢性的に繰り返す皮膚疾患です。乳児は2か月以上、乳児以外は6か月以上を慢性としています。患者の多くはアトピー素因を持ちます。アトピー素因とは家族や本人が気管支炎、アレルギー性鼻炎・結膜炎、アトピー性皮膚炎のうちどれか、あるいは複数罹患しているか、もしくは、IgE抗体というアレルギー反応を引き起こす抗体を産生し易いことを言います。多くは15歳頃までに自然軽快します。小学校卒業までに治まっている子も結構います。
最近では、食物アレルギーは経皮感作が重要であることが判明し、食物アレルギーを予防するためにも、カサカサになっている子供の肌を放置すべきではありません。 忙しいお母さん、お父さんが多く大変かとは思いますが、アトピー性皮膚炎と診断されても、早急に悲観することなく、お子さんの皮膚の状態を良好に保つよう心掛けてください。
8歳娘の頭に脱毛が出現しました。子供の脱毛について教えてください。
脱毛をきたした場合は、頻度としては、「円形脱毛症」、「抜毛癖」が多いです。「円形脱毛症」は軽度、自然軽快するものから全頭におよび難治な場合もあります。「抜毛癖」は、抑えがたい衝動から自ら毛髪を引き抜くことで発症します。爪の咬み癖と同様、家庭や学校でのストレス、淋しさ、プレッシャー、意識、無意識レベルの心理的諸問題が根底にあるため、必ずしも治療が簡単ではありません。精神医学的な対応が主体となり、理想的には学校や家庭における支持的な環境作り、環境の見直しが肝要となります。
12歳娘の上腕外側がサメ肌のようにザラザラになっています。これは何ですか?
「毛孔性苔癬」は小児期に肩~上腕伸側、臀部~大腿前外側にかけて毛孔一致性の丘疹が多数出現したものであり、思春期に著明となります。常染色体優性遺伝と考えられており、外来では良くお見受けします。頬~頸部にかけて比較的境界明瞭な紅褐色局面に、毛孔性角化性丘疹が出現したものを「顔面毛包性紅斑黒皮症」と呼びますが、しばしば毛孔性苔癬を合併しており、同一スペクトルの疾患と推定されています。

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